星の記録

天体撮影日記

カラフルタウン

アンタレスとカラフルタウンに想うこと
カラフルタウン(2022年5月24日撮影)

中央下でオレンジ色に輝くアンタレス
その付近から左上に伸びる三本の矢(が駆け抜けた…HONDA MVX250F)
赤い大きく拡がる星雲と青く輝く小さな星雲もいくつか

とてもカラフルなのでカラフルタウンと呼ばれています
赤外感度の高いデジタルカメラならではの写真が撮れ気候も楽な夏の夜に見えるので大人気の領域ですね
私もこの領域が撮りたくてD810Aを購入したのがHII領域巡りの始まりでした(^-^;

アンタレスまでは555光年ほど
太陽系と同じ天の川銀河のオリオン腕の中にあります

写真では左下側に写っている天の川銀河の中心部方面には地球に近い方から いて腕、たてーケンタウルス腕、3kPC腕、銀河中心棒が重なって見えており
最も近いいて腕まででもアンタレスまでの10倍以上遠くにあります

写真で立体的に見えるのも光の加減でそう見えるからだけではなく本当に距離が違うせいも大いに有ると思います
(※個人の感想です)

オリオン腕は、はくちょう座のデネブや北アメリカ星雲などのHII領域からオリオン座のオリオン大星雲まで全天に広がって見え、銀河系の内側のいて腕、外側のペルセウス腕とは地球との距離が10倍以上違うため大きく見える代わりに薄く淡く拡がっていて、
アンタレスやデネブやリゲルなどの明るい星の周り以外ではなかなか見えづらく、標準~広角レンズで写すと比較的写りやすくなりますが、それでもとても淡いため写真に残すのは大変です…

この写真ではアンタレスの上、写真中央上に丸い赤い領域が比較的目立ちますがへびつかい座のsh2-27と呼ばれるHII領域です
光っていない黒い部分は水素原子が電離していない分子雲で、ほとんど水素(H)でできていますがごくごく微量の他の元素が含まれており、それが太陽系で言えば地球や火星などの惑星の原料となり、ひいては人類など生物の身体を構成していますが気が遠くなるほどの時間を掛けて集められた元素であり、自分の身体も超新星爆発の残骸から生まれた微量元素によって出来ているという奇跡は神の御業であると考えたくなる気持ちもよく分かります

この領域を写すことはとてもチャレンジングであり周辺の淡い部分ももっと広く捉えたいので、
また来年も自分はカメラを向けることでしょう